はじめての動物病院

動物病院って、すごかった。

もうすごい犬猫の行列? 外で2時間ぐらい待ってた。

わたしは小さなダンボールに移されてたから、寒くなかったけど。ママも、おっきいママも、「日が暮れて寒い」って言ってた。

ココ兄さんは、なんだか怒ってた。注射のとき「珍しく怒ってる」と言われてたもの。口に黄色いわっかつけられて、暴れてた。

わたしのせいでもあるらしく、先生に少し注意されたから、気をつけます。


ネットで調べたら「猫を保護したら早く病院へ」って書いてたから、ママは急いで行ったのだけれど、なんかべつに行かなくてもよかった感じ。

「どうされました?」って訊かれて、検査とかあるんじゃないの?って逆に訊きたかったのはこっち。

でも、先生も、先生の奥さんも、病院のお姉さんも、好きだから、ママは「哺乳瓶ありますか?」って。


それから、おしっこの出し方は、お湯で濡らしたティッシュでトントントン。

ティッシュが薄い薄い黄色になって、出た証拠。

おっきい方は、1週間ぐらい出なくても大丈夫って言われて、ちょっと安心。


「ミルク持ってきてないですか?」と訊かれて、「家にあります」と答えると、ザワザワ。「取ってきてもらう?」とかヒソヒソ。

おっきいママがなんか囁いて、ママが「買うから大丈夫です。それ開けてください」って。

それは【エスビラック パウダー 猫用 170g】っていう、昼間とはちがう、有名なミルク。先生とこでも使ってるんだ。

米国製なんだけど、先生が外国人だから、きっと米国人で、だから使ってるのかも。


先生が哺乳瓶を持ってきた。どんなのかと思ったら、昼間アマゾンで見てた【森乳サンワールド 哺乳器】だった。

よくないレビューもそこそこあったから、大丈夫かしらと案じていたら、先生は「ゴムの先端に切れ目を入れて調節しないと、最初は穴が小さいので」と説明してくれた。

小さい子でも飲めるように、最初は最小の穴になってるらしい。

哺乳器にミルクを入れて、逆さ向けて、腕にゴムの先を軽くトントンすると、1滴出るぐらい。それが赤ちゃん猫にちょうどよいらしい。

「切りすぎたらミルクが出すぎるから、加減が難しい」と先生は言ってた。


それで、やっとミルクを飲めたんだ。ゴクゴクゴクって調子よく飲んでると、耳がヒクヒクヒクって前後に動く。これが「きちんと飲めてる合図」なんだって。

赤ちゃん猫は「3時間おきくらいにミルクが必要」って先生の奥さんは言う。

「4時間でもいいんじゃないの」と先生が言う。

「4時間はちょっとぉぉ、やっぱ3時間」と奥さんが返す。

ママが「昨夜はずっと眠ってたから6時間ぐらいあげなかった」と言ったら、「5時間以上あけると、成長にししょうが出てくるから、夜もきちんとあげてください」と指導されてた。これで夜も安心できる。

「飲み残しは冷蔵庫に入れて、飲むときにレンジでチンしてください」とな。

「2〜3回分の作り置きはいけるけど、半日はダメ」なんだって。


やっと終わりだと思ったら、先生が思い出したように「体重測っとこ」って。

パパとママの家に来て2日目の午後7時前。体重は150グラムきっかり


帰る頃には、すっかり暗くなっていて、ココ兄さんも疲れた様子。ママもわたしもひとあんしんしてルンルン。


そのあと病院からママのスマホに電話があって「哺乳瓶とミルク忘れてました」と言われて、ママは気づかなかったことにびっくりして、自転車で取りに行ってた。

はじめてのことがたくさん。いそがしいいちにち。おやすみなさい。

« »